MURATA(叢田)

3月の宮城は、まだまだ寒い。
コートの隙間から冷気が忍び込んで来るようです。
そんな寒空にもかかわらず、長い行列を作るパティスリーがあります。

 

ここ、『MURATA』は、多くの従業員を束ねるシェフ、叢田一範さんのお店。
ここで、シェフの新しい挑戦が始まっています。

MURATAのこだわり

「『食』の長い歴史を見ると、素材はより精練され、口当たりはより滑らかに、という流れがあります。
その流れにあったチョコレートを作ることで、長い間愛されていきたいですね。」

こう語るのは、パティシエとして長年腕をふるってきた、叢田一範シェフ。
自身のお店を人気店に成長させた叢田さんは、新たにチョコレート作りに挑戦しています。

叢田さんのチョコレート作りの特徴は、徹底的に美味しさを追求すること。
頼りにしているのは、長年の美食の世界で培ってきた自分の『舌』です。

流行や宣伝に左右されない、本当に美味しいチョコレートを作る。
食を大切に楽しむ人達に、心から愛されるチョコレートを作る。

シェフの厳しく冷静な眼差しと、溢れんばかりの探求心が、MURATAのチョコレートに込められています。

叢田シェフの『舌磨き』

シェフ叢田さんは、1968年創業の洋菓子店『SHISEIDO』の息子として生まれました。

子供の頃から食への探求心に溢れていた叢田さん。
叢田さんの舌磨きは、なんと小学生の頃から始まります。

ある日、小学生の叢田さんは、お使いに行ったスーパーで、ひとつの棚に目をひかれます。
そこに並んでいたのは5種類のインスタントコーヒー。
「どれがどう違うんだろう」という興味をそそられ、全部買ってきてしまいました。

一つ一つ味見してみて、「こっちの方が苦味が強いな」「こっちの方が香りが強いな」と味比べ。
『同じ食べ物でも、メーカーや銘柄が違えば一つ一つ味が違う。』
それに気づいた叢田さんは、さまざまな食べ物の『味』をどんどんインプットしていきます。

やがて成長し、20代の前半にお菓子を売り始めた叢田さん。
自分の理想の味のお菓子を売り出したところ、意外にもまったく売れませんでした。

その時に気づいたことは、 『美味しいと思う味は、それまで食べてきたもので変わる』ということ。
美味しいものもまずいものも分け隔てなく、大量の味をインプットしてきた自分と、
たまの贅沢に美味しいケーキを食べる、宮城の町の人たちでは、
味の感じ方に違いがあったのです。

そうとわかれば、次は『人々が美味しいと思う味の探求』です。
スタッフやその家族、友人知人など、たくさんの人に自分のお菓子を食べてもらいました。
評判の良かったお菓子の味を自分にインプットし、その味を目指してお菓子を作ります。

こうしてできたのは、計算しつくされた美味しさのお菓子たち。
叢田のお菓子は評判を呼び、行列のできる人気店となりました。

MURATAとBean to Barチョコレート

ある日、叢田さんは糖質制限をしている人と出会います。
『糖質制限をしていると、美味しいデザートが食べられない』
その姿を心苦しく思った叢田さんは、糖質制限スイーツの開発に着手します。

その時に当たった壁がチョコレート。
糖質を抑えて、しかもおいしい製菓用のチョコレートが見つからなかったのです。

そこで叢田さんが考えたのは『自分で作る』ということ。
「糖質を抑えつつ、味も妥協しないチョコレートを作りたい」
そう思った叢田さんはBean to Barチョコレートにたどり着きました。


2018年にチョコレートづくりに着手した途端、その奥深さにのめり込んでいった叢田さん。
3ヶ月休みなく試作を繰り返したり、 ウィノアー(豆と外皮を分離するための装置)を手作りしたりと、持ち前の探究心を発揮します。

100回以上の試作を繰り返した今でも、「作るたびにチョコレートがおいしくなる」と語る叢田さん。
叢田さんのチョコレートがどこまで美味しくなっていくのか?
一番楽しみにしているのは叢田さん自身かもしれません。

MURATAのおすすめチョコレート

MURATAのおすすめチョコレート①:コロンビア アラウカ

ナッツ類の香ばしさと、柑橘類のわたのような清涼感のある苦みが重なるチョコレート。
ビターチョコレート好きにおすすめしたり、大人味のチョコレートです。

MURATAのおすすめチョコレート②:ノンシュガー ヴェネズエラ チュアオ

砂糖のかわりにマルチトールと羅漢果を使用した、ノンシュガーチョコレート。
通常のチョコレートよりも血糖値の上昇を抑えられる、体に優しいチョコレートです。
ノンシュガーとは思えない自然な甘みで、ヴェネズエラ チュアオのフルーツ感をそのまま楽しめる新しいチョコレートです。

その他のチョコレート

ほかにもMURATAでは、3種類の板チョコレートと、さまざまな味が楽しめるアソートボックスをラインナップしています。

MURATAのフレーバーホイール

MURATAのチョコレートには、オリジナルのフレーバーホイールが付属しています。

このフレーバーホイールには、チョコレートに感じられる味の種類が書かれています。
例えば、『グレープフルーツのような味』『レーズンのような味』『ナツメグのような香り』『桃のような香り』などです。
フレーバーホイールを見ながらチョコレートを食べることで、チョコレートの味を感じ取りやすく、覚えやすくなります。

何度もフレーバーホイールを使うことで、チョコレートの微妙な味の違いも感じ取れるようになってきます。
「このチョコレートはどんな味がするんだろう?」
そんな探究心を持っている人は、ぜひフレーバーホイールを使ってみてください。
今までに気づかなかった カカオの美味しさを知ることができます。

叢田シェフ
味覚を研ぎ澄ますことは
全身の他の感覚器官を伸ばす呼び水となり
今まで眠っていた
新しい自分の可能性を見つけて出して
新たな生きる歓びを見いだす
人さえ現れてくると思います。

 

MURATAのアクセス・営業時間

所在地:宮城県多賀城市町前 3-2-25
ホテルキャッスルプラザ向い
JR仙石線 多賀城駅より徒歩8分
営業時間:10:00 – 18:30
定休日:火曜 (他、月半ばに1回水曜)

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