アトリエルージュ アトリエルージュ

BRAND STORYブランドストーリー

「チョコレートは奥が深く、無限の可能性があって、やっていて本当に楽しいんです。チョコレートの型を外す時、どれくらい艶が出て、どんな表情を見せてくれるんだろう、といつもワクワクします。
 でも、何年やっても、上手くいかないこともあって、日々変化や学びがあって、それをアップデートしていくのが面白いところですね」

そうお話して下さったのは、赤松昌彦さん。

「帝国ホテル東京」や「京都センチュリーホテル」をはじめ、ベルギーのパティスリー「マイユ」や「デュコブ」など、歴史あるホテルや人気パティスリーで経験を積んだ後、2021年5月に京都府宇治市、宇治橋通り商店街の近くに、ご自身のお店である「Atelier Rouge/アトリエ ルージュ」を開店しました。

◆未経験で飛び込んだ製菓の世界

 華々しいご経歴の赤松シェフですが、パティシエになるきっかけは、とても意外なものでした。

 「学生の時は野球一筋のスポーツ少年で、お菓子や料理には全く興味がなかったんですよ。自分自身も含めて、誰も私がパティシエになるなんて思ってなかったでしょうね。
 高校野球引退後、チームメイトと進路の話をしていた時に、一塁手はフレンチ、二塁手は日本食の道へ進むと言う。だったら自分はデザートの道に進む!と言っちゃたんですよね。そこから私のパティシエ人生が始まりました(笑)」

 未経験の世界へ飛び込んだ赤松さんは、そのまま少年のような好奇心とまっすぐに進む行動力で、パティシエの道を突き進むことになります。

 「製菓学校では、もう大変でしたよ。包丁を持ったことがなかったので、キャベツの千切りは、太いざく切り。シュークリームを作ったら、誰よりも先にオーブンに入れたまではよかったけれど、自分だけペタンコ。座学は退屈で仕方がなかったですね。
 でも、失敗を続けるうちに、なぜうまくいかなかったのか原因を探って、必死に技術を身につけていったんです。するとだんだん面白くなってはまり込んでいきました」

 その後、友人の影響で、就職先は帝国ホテルを選んだ赤松シェフ。

 「実はこの時帝国ホテルのすごさを知らずに面接に挑んだんですよ。いまだなぜ採用されたか謎なんですが、明るさとガッツと素直さですかね。
 あと私は人とのご縁に関する運がすごくいいんです。周りの方に助けながら、自分のやりたいことを見つけて突き進んできました」

 数十人の賄いを朝7時までに作ってから、裏方の仕事をこなしつつ、デザートを作るという修行のような毎日だったそうです。

 「この時は『はい、わかりました』と素直に実直に目の前の仕事を必死にこなして、周囲の信頼を得てきました。大変な日々でしたが、心が折れそうな時も先輩や師匠が励ましてくれたことが、大きな支えでした。海外でも挑戦してみたい!とは時々伝えてたんですよ。そしたら、海外への枠が空いた時に推薦してもらえたんです」

そしてついに念願の海外へ。行先はベルギー屈指の伝統あるパティスリー「マイユ」で、才能あるパティシエと共に腕を磨いていきました。


「『マイユ』は地元の人たちに広く愛されているパティスリーで、製菓を学ぶ環境も良く、やりがいがありました。ただ、チョコレートに触れる機会はなく、しかも最初は言葉が全く分からなかったので、教えて欲しいと伝えることもできなくて。
 でも、せっかくチョコレートの本場、ベルギーに来たので、どうしてもチョコレートにも挑戦したい気持ちが強くありました。休日は日本人の先輩シェフと地元のパティスリーを巡っていたんですが、ある時、とても心惹かれるお店に出会って、すぐに『ここで働かせてくれ!』と熱烈にお願いしました!それが『デュコブ』でした。世界的に有名なシェフと働けたことは本当にラッキーで、僕の大切な宝物になっています」

パワフルで人間味あふれる赤松シェフ。華々しい経歴から『生まれながらの才能のあるショコラティエ』というイメージが強いですが、その裏には隠された壮絶な逆境と、それを乗り越える地道な努力があったのです。

◆自分自身の腕で、想いをこめて

ベルギーから帰国後はご縁があったお店でマネージメントや組織作りを学び、お菓子作りだけではなく、お店作りの経験を積んでいったそうです。

「貴重な経験をさせてもらえる毎日でした。お菓子を作る一職人としては体験できない視野の広がりを感じたというか。やっぱり何年たっても座学は苦手ですけどね(笑)
 そして、せっかくベルギーでチョコを学んだのに活かせていない、というもどかしさは常に感じていたんです。次第に自分が感動したベルギーチョコレートを知ってもらいたいという気持ちがどんどん大きくなってきて……そんな時、家の近くにたまたま自分にピッタリな物件と巡り会えたんです。大きな機材は入れられないけれど、その分自分自身の腕で想いをこめて作る事ができます。
 僕の作りたかったチョコレートを表現するのはここだと直感を信じて行動したことが正解でした。本当に自分は運がいいと思います」

こうしてショコラティエとして再出発した赤松さん。
仕込みから仕上げまで、手間を惜しまず、手作りにこだわっています。


「ショコラづくりでは本場ベルギーで培った経験をもとに、日本のお客様に好まれるものは何かと常に考えています。例えば、ベルギーではシェル(外側の部分)が厚く、チョコレートの風味を味わうタイプが多いのですが、フランスや日本では薄いコーティングで中のガナッシュを味わうものが好まれます。
 だったら、ベルギーでよく使われているモールド(型)を用いた方法で、日本人好みの薄いシェルに仕上げて、チョコレートの風味もガナッシュの風味も両方楽しめるショコラにしたらいいんじゃないかなと、ひらめいたんです」

赤松シェフが目指すのは、お客さんに喜んでもらえて『もうひと口食べたい』と思ってもらえるスイーツづくり。
自分のセンスを披露するのではなく、あくまでもお客さん目線で考えて「複雑すぎる味」ではなく「素材の風味をしっかり楽しめる」ショコラやスイーツを目指しているそうです。
とは言え、薄く均一なシェルをつくるのは簡単なことではありません。チョコレートの扱いは難しく、各工程で温度や湿度が少し変わると仕上がりに大きな差が生まれてしまうそうです。

「自分のタイミングではなく、チョコレートのタイミングに合わせて作業するのがとても重要なんです。季節や天候によって、温度管理や型から出すタイミングを見極めなければならないですし、何年やっても、型から出す時の緊張感は変わりません。
 でも、仕上がったショコラには色々な表情があって、面白いんです。だからこそショコラは飽きないんです」

「アトリエルージュ」の店名は、芸術を生み出す場所である「アトリエ」と、赤松シェフの「赤(=ルージュ)」を合わせたものなんだそう。深紅色のパッケージも、店名とリンクしています。

「自分を表現できる場所、カッコつけて言うと『俺のアトリエ』という想いをこめて、店の名前を決めました。チョコレートはまさに芸術、アートだと思ってます。奥が深く、無限の可能性があって、やっていて本当に楽しいんです。チョコレートの型を外す時、どれくらい艶が出て、どんな表情を見せてくれるんだろう、とワクワクします。でも、何年やっても、上手くいかないこともあって、日々変化や学びがあって、それをアップデートしていくのが面白いところですよね。」

今できることが未来に繋がっていく……『楽しむこと』をモットーに、赤松シェフはお菓子を作り続けています。

◆ショコラと宇治を繋げる架け橋に

アトリエルージュには丹精込めて作られたボンボンショコラに加えて、発酵バターを使用した焼き菓子や地元宇治のお茶を使ったスイーツも並んでいます。

 
「ベルギーのチョコの美味しさを伝えると同時に、チョコレートや焼き菓子を通して、宇治という地域を活性化させたいという夢があります。地元のよい素材を使うことはもちろん、ここでしか食べられない出来立てスイーツを作って、たくさんのお客様に宇治に足を運んでもらえたら、嬉しいですね。
 さらに、出産や家の事情でお休みしている女性パティシエさんをたくさん見てきたので、彼女たちの力を発揮できる機会も作っていけたらと思っています。多くの人に、末永く愛されるお店を作っていくのが1つの目標です」

少年の様な純粋さと行動力で夢に向かって突き進む、赤松シェフの想いが詰まった「アトリエルージュ」お菓子、是非ご賞味下さい。

◆アトリエルージュ の おススメ商品


◆ショコラアソートM
お茶・フルーツ・ナッツなどバラエティー豊かな5種をセレクトしたアソートです。
素材の香りや旨味をぎゅっと凝縮した、風味豊かなショコラをご堪能下さい。
鮮やかな色合いが目を惹く、贈答にもおすすめの一品です。

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◆テリーヌショコラ
ベルギーのクーベルチュールチョコレート2種類をブレンドした口溶けなめらかなテリーヌショコラです。
華やかなカカオと、ほんのり香るトンカ豆の甘美なマリアージュをご堪能下さい。
大切な方へのプレゼントに、自分へのご褒美にもぴったりの一品です。

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Atelier Rouge (アトリエ ルージュ)の店舗情報

所在地:〒611-0021 京都府宇治市宇治里尻2-17 宇治壱番宿にがうり1F
営業時間 :11001700
定休日 :不定休(公式HPや公式インスタグラムでご確認いただけます)

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