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「困難な道のりではありますが、強い意思を持って活動を続けることで、児童労働のない社会を実現させることは可能だと思っています。ANIDASOƆ(アニダソ)チョコレートを食べながら、日本とガーナの関係や、現地の様子など想いを馳せて頂けたら嬉しいです。ACEの活動によって変わる未来があるのだと、確かな手ごたえを感じておりますので、是非この機会に、児童労働問題の解決の輪に加わって頂けると嬉しいです」
お話を聞かせて下さったのは、児童労働の撤廃と予防に取り組む国際協力NGO『ACE』の白木さん。
『ACE』は1997年に設立された団体で、インドのコットン生産地とガーナのカカオ生産地で教育の重要性や児童労働の危険性に気付いてもらう取り組みを展開しています。
団体名は『Action against Child Exploitation(意味:子どもの搾取に反対する行動)』の頭文字を取って名付けられました。
報告書だけでは分からない『リアル』を知るために現地へ
ガーナにはじめに足を運んだのが2008年。日本の学校向けに児童労働に関わる啓発活動を行う中で、教師や子ども達からACE宛に質問が届くようになったことがきっかけだったそうです。
「当時ちょうど児童労働の問題への関心が高まっていて、チョコレートに潜む強制労働などがメディアでも広く語られるようになりました。しかし『実際に現地で何が起こっているのか』『なぜそのようなことが起きるのか』など、質問をしてくれる子ども達だけでなく私達自身もまったく分からない状態でした。それならば行こう、行く意義があると思いました」
そこからJICAや海外のNGOなど、開発途上国への国際協力活動を行っている団体の協力を得て、ACE共同創業者である岩附さんと白木さんのお二人でガーナへと現地調査に向かいました。
「実際に現地の農家さんの家に泊めて下さいとお願いして、籠に入れたカカオを頭に乗せて運ぶなど、現地の生活や労働を体験させてもらいました。ちょうど乾季だったので喉も渇くのですが、村には水を汲み上げる方式の井戸が一つしかなく、汲み上げられるのもミルクティーか?と思うような濁った泥まじりの水でした。電気も通っていない中での重労働、生活の不便さや過酷さと共に感じたのは、社会全体のバランスの悪さです。ガーナのカカオ農家の人々は、何不自由なく暮らせる日本では想像もつかないような生活を強いられている。ただその場所に生まれたというだけで、人生の選択の余地が狭められている。この状況をどうにかしたいな、と」
現状を打開するためには、支援をする側・受ける側、双方向に歯車が噛み合うよう、ガーナ現地でも『児童労働』への意識改革をする必要がある。そこでACEは、ガーナのカカオ生産地域で子どもの教育やカカオ農家の自立を支援する『スマイル・ガーナ プロジェクト』を立ち上げました。現地で直接支援を行うだけでなく、児童労働を生み出す社会システム全体に働きかけていくために、企業と連携した『児童労働のないチョコレート』の開発・普及に加え、ガーナ政府と共同で『児童労働フリーゾーン』制度の構築にも取り組んでいます。
「幸い日本には、バレンタインというチョコレートが脚光を浴びる時期があります。その時期に合わせてACEの活動に共鳴して頂ける製菓企業やチョコレート専門店の皆様と連携することで、チョコレートの原料であるカカオが生産されている場所で何が起こっているのか、より多くの人々に知って頂けるような活動も展開しています。実際にガーナにはどのような支援が必要なのか、その支援によってどう現状が改善されるのか……現地と繋がり、サポートを続けている私達だからこそ担える役割があります。児童労働のないカカオが使用されたチョコレートが広く行き渡ることで、児童労働の原因の一つである貧困問題だけではなく『搾取型の社会構造』そのものを変えることに大きく寄与できるのです」
児童労働問題の表層ではなく深層に切り込み、変化を促す
国境を越えた壮大な活動ですが、実際には『価値観の異なる人々と向き合う』日々の地道な作業の積み重ね、なんだそうです。
「ACEは現地のNGO(支援団体)と連携して、コミュニティレベルで児童労働を予防し、解決するための活動を行っています。現地スタッフが具体的に何を行っているのかというと『見回り』なんです。最終的には、コミュニティの住民自身が自分たちの力でできるようになることをめざすわけですが、まずは日中、学校の時間帯に働いている子どもがいないか村中の見回りをして……見つけたら彼等の親に会いに行って、話を聞きます。『児童労働』というと、大きな土地を所有している主がいて、そこで搾取されている……そんなイメージを抱く方が多いかもしれませんが、実際に多いのは、土地が痩せていて農業すらままならないガーナ北部地域の人々が、仕事を求めて南部に移住してきたものの生活が立ち行かない、というケースです。見様見真似なのでカカオの栽培の知識も技術もなく、コミュニティから孤立しがちで、その結果、子どもに労働させるという事態に陥ってしまいます。子ども6人のシングルマザーというケースも珍しくないんです」
日々の生活もままならない困窮者に『子どもを働かせてはいけない』『学校に行かせるように』と伝えるだけでは根本的な解決にはならない――だからこそ、対話を通して信頼関係を築いていきます。
「ガーナでも日本同様、子ども達への教育が国によって義務付けられています。ですので『学校に行かせた方がいい』という認識はうっすらとあるのです。しかし教育を受けたことのない親は、なぜ教育が必要なのかを理解できません。それはごく自然なことだと思います。だからこそ現状を否定せずに『今、何か困っていることはありませんか?』と声を掛けます。そうすると、生活に困窮している、どこを頼ればいいか分からない、と抱え込んでいた問題を話してくれるようになります。そこから、然るべき公的機関を紹介したり、コミュニティ内の農家同士で協力し合う仕組みを作るなどして、まず家庭の生活を安定させることで、子どもを学校に行かせやすい環境を整えていくのです」
ガーナの学校の学費自体は無料ですが、ノートなどの学用品を用意できない家庭も少なくありません。そこで、ACEでは子どもの教育に必要な物資の提供も行っています。加えて、教員のスキル向上や学校給食の提供など学校の学習環境の改善にも努めています。
「学校に通う子どもが周囲に増えると、その地域の人々は『学校に行けるんだ』『自分達も行かせよう』と自然と意識が変わっていきます。そこに加えてカカオ農家の技術向上によって生産量を上げるためのトレーニングや、見回りや啓発活動をする現地の人々の育成を行うことで、地域全体の自立を促進し『児童労働がないことがあたり前』の好循環を構築していくことができます。貧困と児童労働の悪循環が世代間で受け継がれること防ぎ、明るい未来を作っていけるような仕組みを、自分達で考えて作り出せるようになるのです」
日本とガーナを繋ぐ希望のチョコレート
そんなACEが設立25年を記念して発売するのがANIDASOƆ(アニダソ)チョコレートです。ANIDASOƆ(アニダソ)はガーナの主要⾔語であるチュイ語で『希望』を意味します。児童労働を撤廃し、子ども達が明るい未来を作っていけますように。そんな『希望』を込めて名付けたそうです。
「ANIDASOƆ(アニダソ)チョコレートはACEの活動の集大成でもあります。使用されているカカオ豆はすべて、ACEがこれまで活動してきた児童労働を予防・是正する仕組みがある地域で栽培されたものです。
ACEという団体が『ガーナと日本を繋ぐ懸け橋でありたい』という想いも込めて、パッケージはガーナの国旗と日本の国旗を組み合わせたデザインにしました。日本の国旗の日の丸の部分にはてんとう虫が描かれています。てんとう虫はヨーロッパでは幸せを運ぶ生き物として知られており、プロジェクト開始当初に活動資金を集めるためにACEが販売した「てんとう虫チョコ」にちなんだものです。
勿論、味にもこだわっています。チョコレートジャーナリストである市川歩美さんに製品企画にご協力頂き、ガーナのカカオ×日本の八丁味噌という、2つの国の発酵食品の良さ引き立つ組み合わせが生まれました」
こだわりの詰まったANIDASOƆ(アニダソ)チョコレートは、1,200円のうち 500円が寄付として積み立てられ、ACEのガーナでの活動に活用される仕組みになっています。さらに『TADORi CHAiN - Tsunagu β』という書き換えができないブロックチェーンのシステムを搭載することで、どのようなルートをたどってチョコレートができたのか、サプライチェーンの全体が見えるようになっています。
「ご寄付いただいたお金は、カカオを育てた人達にそのまま還元するのではなく、未だに児童労働が日常として続いているコミュニティでの活動や支援に繋げていきます。生まれた場所のために、誰かだけが割を食うような経済システムのアンバランスをなくしていきたい。児童労働を根本的になくし、子ども達が選択できる人生の範囲が広がるような、公平な権利が得られるようなシステム作り。そのための資金として役立てていきます」
社会の仕組みを、一気にすべて変えることはできません。それでも一歩一歩、着実に進んできたからこその今があります。ACEのガーナでの活動開始から14年で、622人の子どもが児童労働から抜け出し、44,697人の子どもの継続的な就学を支援してきました。現在も『2025年までに世界中のあらゆる形態の児童労働を終わらせること』を目標に活動を続けています。
「困難な道のりではありますが、強い意思を持って活動を続けることで、児童労働のない社会を実現させることは可能だと思っています。ANIDASOƆ(アニダソ)チョコレートを食べながら、日本とガーナの関係や、現地の様子など想いを馳せて頂けたら嬉しいです。
スマイル・ガーナ プロジェクトで学校へ通うようになった子どもと、ずっとコミュニケーションを取っていまして、ちょうど最近、彼から大学を卒業したと連絡が来ました。これから実際に、先生になるための実地訓練を受けるとのことです。ACEの活動によって変わる未来があるのだと、確かな手ごたえを感じています。是非この機会に、児童労働問題の解決の輪に加わって頂ければ嬉しいです」
生まれた場所に関わらず、世界中の子ども達全員に、自らの人生を選択する権利を。
カカオを育てる人も、その子ども達も、チョコレートを食べる人も、皆が幸せになりますように。
ガーナと日本を繋ぐ「希望」の詰まったANIDASOƆ(アニダソ)チョコレートで、未来を変える支援をしてみませんか。