チョコレートの豆知識

チョコレート(カカオ)は発酵食品!この2枚で違いがわかる

こんにちは。
チョコレート専門の通販ショップを営むフクナガです。

今日は「じつは、チョコレートって発酵食品なんですよ~」というご紹介をしたいと思います。

発酵食品と言えば、味噌、チーズ、ヨーグルト、お酒など様々なものがありますが、
美味しくて健康にいいというイメージがありますね。

じつは、チョコレートの原料、カカオ豆は、発酵をしてからチョコレートへと加工されます
この発酵の工程は、チョコレートの味を決めるとても重要な工程です。

では、発酵によってどのようにチョコレートの味が変わるのかご紹介します。

発酵条件によって味が変わったチョコレート2枚

発酵によってチョコレートの味がどのようにかわるのか。
一番わかりやすい方法は、『発酵のやり方が違うチョコレートを食べ比べてみること』です。

こちらの2枚のチョコレートは、発酵の条件が違うチョコレートです。
発酵の条件以外は、カオ豆が採れた農園も、チョコレートのメーカーも、カカオの焙煎条件やコンチングの方法も、すべて同じにしてあります。

つまり、このふたつの味わいを比較すると、発酵の条件によって、チョコレートの味がどれだけ変わるのかを知ることができます。

どのくらい違うのかというと、ぜんぜん違います。

まず、左側の#21と書かれているチョコレートは、キリっとしたすもものような酸味があります。
熟成させていない、若い赤ワインのような酸っぱさと果実感があり、夏に食べたい爽やかさがあります。

一方、#14と書かれているチョコレートは、ビターチョコレートらしいわずかな苦みがあり、酸味はほとんどありません
加えて、木の皮や土、燻製のような複雑な風味が感じられます。
ビターチョコレートや、ウィスキー、ワイン、コーヒーを嗜む方におすすめの味わいです。

まったく同じ農園のカカオ豆を使い、同じメーカーが同じ方法で作っても、
まるで同じ食べ物とは思えないほど味が変化します。

まずはこの違いを体感し、発酵の重要性を感じてみてください。

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チョコレートの味が発酵によって変わるのはなぜ?

チョコレートの味が発酵によって変わる理由は、『発酵によって働く微生物によって、味のする成分が作られるから』です。

例えば、カカオ豆の発酵には乳酸菌がかかわっています。
乳酸菌は乳酸を作る菌なので、カカオ豆の発酵のときに乳酸が活発に活動すると、カカオ豆の中に乳酸が作られます。
すると、カカオ豆が乳酸の味…ヨーグルトのような味がするようになります。

発酵のときに働く菌は何十種類もあると言われています。
そのため、どんな菌がどの程度はたらくかのバランスによって、カカオ豆の味が変わります。
酢酸菌が活発に働くと、酢酸(お酢)ができて酸っぱいカカオ豆になります。
カビ菌が活発にはたらくと、カビ臭い豆になってしまいます。
さらに、酵母が働いてアルコールが作られると、カカオ豆がもともと持っていた成分とアルコールが反応して、違う味の成分が作られます。

このように、発酵の時にどんな微生物が働くかによって、味が変化するのです。

カカオを発酵させる方法とは?

では、カカオ豆の発酵はどのように行われているのでしょうか?

一般的な方法は、

  1. 堆積法
  2. ボックス法

と呼ばれるふたつの方法があります。

カカオを発酵させる方法①堆積法

特別な設備を必要としない、簡単な方法です。

以下の手順で行います。

  1. 地面などにバナナの葉を広げます
  2. バナナの葉の上にカカオ豆をカカオパルプ(果肉)とともに積み上げます
  3. バナナの葉を上から被せます
  4. この状態で数日間放置します(時々木の棒などで混ぜます)

カカオを発酵させる方法②ボックス法

専用の箱を使って発酵させる方法です。

  1. 木箱を用意します
  2. 木箱の中にバナナの葉を敷き詰めます
  3. 木箱の中にカカオ豆とカカオパルプ(果肉)を投入します
  4. バナナの葉で蓋をします
  5. この状態で数日間放置します
    (時々箱を丸ごとひっくり返したり、木箱の中の水を抜いたりします)

木箱を用意したり、ひっくり返す手を加える分、堆積法よりも費用や設備、手間がかかりますが、以下のようなメリットがあります。

  1. 箱全体をひっくり返すので、カカオ豆全体を混ぜられる
  2. 箱の中で温度が一様になりやすく、温度測定も正確にしやすい。
    (堆積法では積み上げた端の方は温度が低く、高く積み上げたところが温度が高くなりがち。
    その場合どこの温度を信用したらいいのかわからない)
  3. 木箱を再利用するので、木箱に定着した微生物が発酵のために働き、カカオ豆の品質(味や雑菌の有無)が安定する
    (堆積法では自然にいる菌が発酵のために働くので、発酵をするたびに働く菌が変化し、品質が安定しない)

これらのメリットがカカオ豆の発酵にどのように影響するのか、このあとでご紹介します。

カカオを発酵させるときに混ぜるのはなぜ?

先ほどの堆積法、ボックス法、どちらも混ぜる作業を行っていましたが、これには複数の理由があります。
特に重要な理由は以下の二つです。

  1. カカオ豆を空気に触れさせる
  2. 温度や菌の有無の偏りを無くす

ひとつめの『カカオ豆を空気に触れさせる』のは、どんな微生物を活発に働かせるかをコントロールするための作業です。
微生物には、空気がたくさんあると活発に働くタイプ(好気性といいます)と
空気がないほうが活発に働くタイプ(嫌気性といいます)がいます。
カカオ豆を空気に触れさせると、好気性の微生物を活発に働かせることができます。
一方、混ぜずにいると嫌気性の微生物を活発に働かせることができます。

どちらを活発にさせた方がいいのかは時と場合によります。

ふたつめの『偏りを無くす』のは、カカオ豆の中にムラができないようにするための作業です。
例えば、木箱の中の中心だけが暖かくて微生物がたくさんいる場合、中心部分の豆は美味しくなりますが、端の豆は美味しくなりません。
そこで、ときどき攪拌することで、カカオ豆全体を美味しくしていく必要があります。

カカオの発酵と温度の関係とは?

カカオ豆の発酵中、温度は40℃~50℃まで上がると言われています。

これは、カカオ豆が発酵するとき、微生物のはたらきによって熱が生まれるからです。

この熱によって微生物の働きがより活発になり、カカオ豆の味が大きく変化します。
ちなみに、どのくらいの温度でどんな微生物が活発になるのかは微生物によります。
たとえば乳酸菌は35℃~40℃で、酵母は25℃~30℃が最適温度と言われています。
つまり、温度によってもカカオ豆の味が変わるということです。

なお、あまり熱くなりすぎると熱によって微生物が死ぬこともあります。

ちなみに、この熱によってカカオ豆は発芽しなくなります。

カカオを発酵させる菌・微生物・酵母とは?

カカオ豆の発酵には、数え切れないほどたくさんの微生物が関わっています。
わかっているだけでも以下のような微生物が関わっています。

  1. 酵母
  2. 酢酸菌
  3. 乳酸菌
  4. カビ菌

カカオを発酵させる微生物①:酵母

酵母とは、糖からアルコールと二酸化炭素を作る微生物のことです。
酵母が作ったアルコールとカカオ豆がもともと持っている成分が化学反応をし、さまざまな風味の成分がうまれます。
さらに、二酸化炭素が生まれるとカカオ豆の酸度が変わり、化学反応や微生物の働きに影響を与えます。

酵母と一口にいっても、地球には何百種類の酵母がいて、どの酵母が働くかによって味が大きく変わります。
お酒造りやパンの分野では風味を決める大切な要素として研究が進められています。
カカオ豆でも、最新の研究では優秀な酵母を添加して味の変化を調べるといったことがされているようです。

カカオを発酵させる微生物②:酢酸菌

酢酸菌は、アルコールから酢酸(お酢)を作る菌です。
お酢のようなツンとした酸味がチョコレート味のアクセントとなります。
また作られた酢酸はカカオ豆の酸度を変えるので、化学反応や微生物の働きに影響を与えます。

カカオを発酵させる微生物③:乳酸菌

乳酸菌は、乳糖から乳酸を作る菌です。
ヨーグルトのようなまろやかで優しい酸味が、チョコレートに爽やかな風味を与えてくれます。
酢酸と同様に、作られた乳酸はカカオ豆の酸度を買えるので、化学反応や微生物の働きに影響を与えます。

カカオを発酵させる微生物④:カビ菌

発酵の過程で、カビ菌が繁殖してしまうこともあります。
カビ菌には毒性のあるカビないカビさまざまなものがいますが、
カカオ豆では食べられるカビだけをコントロールして増やすのは難しく、カビた豆は一般的に捨てられます。

カカオ果肉(パルプ)は発酵に必要?

カカオ豆の発酵のときは、カカオ果肉(パルプ)を一緒に使うのが一般的です。

カカオ果肉(パルプ)とは、カカオ豆の周りについているもしゃもしゃしたものです。
(かぼちゃのワタを想像すると近いです)

カカオパルプはとても甘く、糖分を豊富に含んでおり、酵母などの微生物のエサになります。
つまり、カカオパルプの糖分を食べて活動する微生物が、カカオ豆の味を変化させるということです。

カカオの発酵とバナナの関係とは?

カカオの発酵の際に、バナナの葉をしくことがほとんどです。

これは、発酵で活動する微生物が、もともとはバナナの葉に付着しているからと言われています。

つまり、バナナの葉についている微生物が、カカオパルプの糖分を食べて増殖し、カカオ豆の味を変化させる、というのが、カカオ豆の発酵で起こっていると言われています。

まとめ

チョコレートが発酵食品といわれてもピンとこないかもしれませんが、
チョコレートの原料、カカオ豆は、発酵をされています。
この発酵の際にさまざまな微生物が働くのですが、
どんな微生物がどのくらい活発に働くのかによって、チョコレートの味が大きく変化します。

つまり、発酵の工程はチョコレートの味を決めるとても重要な工程なのです。

カカオについてもっと知りたい方はこちらもどうぞ

カカオ農園ってどんなところ?

2019.06.14

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