
東京カカオって何?どんな味?チョコ通が食レポ!
こんにちは!チョコブロガーの福永です。
皆さん、チョコレートと言えば、『ガーナ』や『ベルギー』といった国を思い浮かべますよね。
それもそのはず、日本ではチョコレートの原材料、『カカオ』を育てることができません。
…というのがこれまでの『常識』だったのですが、
2019年、歴史上はじめて、東京産カカオによるチョコレートが誕生しました!
そんな常識破りのチョコレート『東京カカオ』について、チョコ通のフクナガがレポートします!
目次
東京カカオとは?
東京カカオとは、2019年10月に販売開始した、歴史上はじめての、純国産チョコレートです。
チョコレートの原材料の『カカオ豆』は、普通はガーナ・インドネシア・ベネズエラなどの暖かい国で収穫されます。
しかし、東京カカオは東京の小笠原諸島の母島で収穫されたカカオ豆を使用しています。
小笠原諸島の母島は、本州よりは暖かいですが、ふつうはカカオ豆が育つ環境ではありません。
しかし、東京カカオのメーカー、平塚製菓株式会社の社長、平塚氏が『何としても国産のチョコレートを作りたい』という思いで、
母島にカカオ専用のハウスを建築し、カカオの栽培を始めました。
東京カカオのプロジェクトが始まったのは2003年。
今年、チョコレートとして商品化できるまで、なんと16年もかかりました。
この16年の間、苗木の全滅や台風被害などのたくさんの困難があったそうです。
16年もの歳月をかけて完成した、とても貴重なチョコレートということですね。
東京カカオはどんな味?
そんな東京カカオ、いったいどんなお味がするのでしょうか?
今回、メーカーの平塚製菓株式会社より、特別に試食品をご提供いただき、
私、福永が食べてみました!
超濃厚なビターチョコレートをかけたラムレーズンのような味
まずは香りから…
袋を上げた瞬間、香ばしく、濃厚な、わずか苦みのある香りがガツンと感じられます。
苦みがある香りとはいっても、焦げたパンのようなとげとげした香りではなく、ココアのような香ばしい香りです。
その後、干しブドウやプルーンのような、甘酸っぱい香りが、鼻の中をスッと通っていきます。
さらに面白いのが、ブランデーのようなお酒っぽい香りがすること!
もちろんお酒は入っていませんが、なぜこんな香りがするのでしょう?
(その答えはこの後、メーカー様へのインタビューで登場します!)
苦い香りと甘酸っぱい香り、そしてわずかにお酒のような香りがまじりあって、
静かなバーでお酒をゆっくり嗜む、大人の女性に似合いそうだな、というイメージを持ちました。
少し嗅いだだけでよだれがドバーッと出てくるような濃厚な香り、期待が高まります!(汚くてすみません)
ひとかけ口に含むと、ゆっくり、滑らかにチョコレートが溶けだしていきます。
まず舌にビビッと来たのは『フルーツのような酸味』です。
クランベリーや酸味の強いぶどうのような、しっかりした甘酸っぱさが、
溶けたチョコレートの中で舌を動かすほどにヒットします。
チョコレートを舌の奥の方に移動させると、ビターチョコレートらしい、ほどよい苦みが感じられます。
苦味はそれほど強くなく、フルーツのような酸味のほうをしっかりと感じるので、
ビターチョコレートを食べているというよりも、
『ビターチョコレートをたっぷりとコーティングしたラムレーズン』を食べているようなイメージです。
さらに、口から鼻に向けてフルボディの赤ワインのような酒感・熟成感・発酵感のある香りが感じられます。
ビターチョコレート=苦いというイメージとはかけ離れた、フルーツ感が豊かな、大人向けチョコレートでした!
ごちそうさまでした。
東京カカオはいつから販売?
東京カカオは、現在は販売前、予約受付中の状態です。
予約は公式オンラインショップから可能で、11月上旬から順次発送される予定です。
「送られてくるまで待てない!」という方は、
10/24から10/30に、渋谷ヒカリエの期間限定ショップにて販売されますので、
誰よりも早くゲットするなら、ヒカリエでの購入がおすすめです。
東京カカオはどこで買える?

東京カカオは公式ホームページで販売中
東京カカオは生産量が限られているので、2019年10月現在、2万セットのみの限定販売となっています。
購入できるのは以下の二カ所のみです。
- 公式オンラインショップ
- 渋谷ヒカリエ期間限定ショップ(10/24~10/30のみ)
なんでこんなに美味しいの?東京カカオ開発者にインタビュー!
東京カカオは『ラムレーズンのようなフルーツ感と、ほんのりとしたお酒の香り』が特徴的なチョコレート。
もちろんお酒も、ラムレーズンも使われていません。
それなのに、なぜこんな味わいが生まれるのでしょうか?
東京カカオのメーカー、平塚製菓の入江さんにお話を伺いました!


東京カカオの栽培から商品開発までを手掛けています。
よろしくお願いします!
美味しさの秘密は『発酵』にあり

ラムレーズンのような独特の味がしますが、どうしてこんな味がするのでしょうか?

東京カカオがこれだけ美味しいチョコレートになるまで、本当にたくさんの苦労をしてきました。
東京カカオの味の秘密はズバリ『発酵』にあります。

発酵は、ヨーグルトやチーズ、お酒などをつくるときに使われる工程ですが、
カカオ豆がチョコレートに加工される前にも、発酵が行われているんですよね。
詳しくはこちら→チョコレートは発酵食品

弊社では、カカオ豆の栽培からチョコレート作りまでを手がけていますので、
発酵も、もちろん社内で行っています。
この発酵をとにかく試行錯誤して、ここまでの美味しさのチョコレートができました!

カカオ豆の発酵はどのように行われているんですか?

カカオポット(さや)から中身を取り出すところ

まず、カカオポッド(カカオのさや)を割って、中に入っている豆を取り出します。
その豆を専用の容器に入れて、ホイロという装置に入れます。
ホイロはパン作りなどで使われる、温度や湿度を一定に調整できる設備です。
このホイロに入れて、温度や湿度をコントロールしながら、数日間置いておくと、発酵が完了です。

発酵中のカカオ豆

そう聞くと、あまり大変そうに感じませんが…

このやり方で、美味しくチョコレートを作る『条件』を見つけるまでが、ものすごく大変でした!


温度や湿度をどのくらいにするか、
何日間続けるか、
空気を入れるかどうか、
発酵前に酵母を入れるか、
バナナの葉でくるむか…などなど、
無数のやり方を試して、たどり着いたのが現在の方法です。


ふつう、カカオ豆の発酵というのは、カカオ豆が採れた現地で行います。
カカオ豆をバナナの葉で敷き詰めた木箱に入れて数日間置いておくというのが基本的なやり方です。
バナナの葉や木箱についている酵母菌などのいろいろな菌が発酵を進めてくれると言われています。
この間、木箱の蓋の開け閉めを行うことで、『嫌気性発酵』と『好気性発酵』のどちらを進ませるかのコントロールを行う…というのが一般的ですね。

一般的に発酵に使われる木箱。自然の菌により発酵がすすみ、その土地独特の風味が生まれる。(Whosecacao様ご提供)


小笠原のカカオ農園に、発酵をするための設備を作ることができなかったんです。
発酵設備を立てるための土地もありませんでしたし、設備や建築資材を本島から運ぶのも一苦労です。
発酵のために小笠原に社員を常駐させることも難しかった。
そのため、平塚製菓の工場のある草加に工房を作ることになりました。
そんなわけで、草加の工場で行う発酵がスタートしたわけですが、
じつは、そんなにきっちりとした管理のもとで、発酵が行われている例が、世界中を探してもほとんどないんです。
そのため、時間や温度、やり方などの指針が一切なく、とにかく手探りでやっていきました。
例えれば、まったくレシピの無い状態でカステラを焼こうとしているような状態。
「これで本当に美味しいチョコレートができるのかな…」という不安ばかりの毎日でした。

そんなに発酵って難しいんですか?

うまくやらないと、食べられたものではない、まずいチョコレートが出来上がってしまいます。

チョコレートが発酵しているなんて知らない人の方が多いと思いますが、
発酵でチョコレートの味が決まってしまうんですか?

発酵が行き過ぎると、えぐみが強くなったり、渋くなったりしてしまいます。
生の豆をそのまま食べたような、嫌な味がしてしまうこともありましたね。
他にも、味噌や納豆のような、「チョコレートとしてはちょっと…」と思うような風味がでてしまったり、酸味がですぎてしまったり…
今の美味しいチョコレートの味を作れるようになったのは、つい2019年のこと。
発酵の研究をはじめてから、5年もかかりました。


はじめて美味しいチョコレートができた時は、「ほんとうにチョコレートができるんだ!」と感動してしまいました。
東京カカオでお酒のような風味や適度な酸味が楽しめるのは、この発酵へのこだわりならではなんですよ。

発酵のあと、焙煎・コンチングの過程を経てチョコレートになる
今後の課題は『担い手不足』

せっかくの東京産チョコレートですし、お土産品などへの展開はないのでしょうか?

東京カカオには『生産量が少ない』という大きな問題があります。

現在販売されている2万セット分がギリギリということでしょうか?

2万セットは、チョコレートの重さでいうと1トンくらいなんですが、
1トンのチョコレートを作ると、1年間に収穫できるカカオを使い切ってしまいます。
ただ、木の成長とともにここ数年は収穫量が倍々に増えているので、
接ぎ木や栽培方法を改良して、今育てている500本の木から収穫できる量を増やそうとしています。


皆さんそう思われるかと思いますが、小笠原という土地では、そう簡単には行かないのです。
そもそも、現在のカカオ農園を作ることも苦労の連続でした。
小笠原でカカオを育てるためには、ハウス栽培が必須です。
夏は湿気を逃がし、冬は閉じ込めるように、通常のハウスよりも開閉部を増やした専用のハウスを使っています。
このハウスは、電柱が折れるほどの強風にも耐えられる強堅なハウスで、台風の風による被害や、風によって巻き上げられた塩による被害を防ぐ役割もあります。
さらにカカオの若木は日なたでは育たないので、ハウスの屋根にはUVカットができる開閉式の布をかけてあります。
そんな必須のハウスですが、小笠原にはハウスを建ててくれる業者さんがいませんでした。
そのため、ハウスを建てるために必要な材料や重機などをすべて東京から持って行ってハウスを建てました。

建設したカカオハウス


ここまでは社長の熱意と折田農園さんのご協力のもとで建ててきましたが、
これ以上建設するのは、費用面や農園で働く人の課題もあり、すぐには取り組めないのが現状です。


栽培に全面協力してくれる折田農園の折田さん

折田さんは、私たちの救世主のような方です。
私たちは2010年に初めてカカオの種を小笠原の土地に植えました。
1000粒以上の種を植えて、167本が発芽をしたのですが、その後全部枯れてしまったのです。
そんな時、私たちに力を貸してくれたのが折田さんです。


カカオが自生している国々とは、日本は何もかもが違います。
土壌を見ると、日本は排水性の悪い赤土が主で、含まれている栄養成分も違う…ということは、分析すればある程度はわかりますが、
どんな土壌を目指して、何をすればいいのか、まったくわからない状況だったんです。
そんな時に力になってくれたのが、マンゴーなどの果物を母島で栽培している折田さんです。
折田さんと一緒に、インドネシアのカカオ農園を視察して、『土』や『木』を見てもらいました。
また、折田さんが使われる、魚のアラを煮出して作った液肥などを活用していきました。
すると、ぐんぐんとカカオの木が育っていったんです!
農業は、その土地のことをよく知っている人の力が必要なんだなと痛感しました。


現在、その合間を縫って毎日欠かさず木の状態を見てもらい、水やりをしてもらっているのですが、
木が成長するにつれ、剪定・収穫・土づくりや農園の環境整備など、カカオの仕事量が増えてしまっているので、
これ以上をお願いすることは難しい状態です。

なんだか、世界のカカオ農園を取り巻く環境とよく似ていますね。
海外のカカオ農園でも、農園の後継者不足が発生しているらしいです。
カカオ栽培は儲からないとか、若者が都市部に行ってしまうとか、そんな理由があるそうですが。

カカオを海外から持ってきたら、カカオを取り巻く問題も丸ごと持ってきてしまったみたいです。
でも、小笠原はとてもいいところです。
東京から船で27時間という距離ですが、道中クジラが見れたこともありましたし、星は都心では考えられないほど綺麗でした。
社長の『食べてみたい』という思いつきから始まった東京カカオですが(笑)
この美味しさを通じて、チョコレートやカカオに興味を持ってくれる人が増えたらいいなと思います。
私も、カカオの実を見たことはもちろん、食べたこともありませんでしたが、知れば知るほど面白く、やりがいのある仕事です。
興味がある方は積極採用いたしますので、ぜひこちらからお問い合わせください!

美味しいチョコレートに出会って、そんなチョコレートを支える人が増えてくれるといいな、と私も思います!
今日はどうもありがとうございました!
どうぞよろしくお願いします!