ちょい足しで毎日楽しく!オススメのカカオ調味料と簡単レシピ

カカオといえば「チョコレートの原材料」というイメージが強いですが、最近では「カカオ調味料」がさまざまなチョコレート専門店から発売されています。 今回はそんな「カカオ調味料」と、それらを活かした簡単レシピのご紹介と 美味しくなる理由について、科学的な説明をちょこっと交えたお話をしていきます。

カカオ調味料とは?カカオはチョコになる、だけじゃない!調味料が存在する!

そもそもカカオの調味料って、どういうこと???」という方がほとんどだと思いますので簡単に説明します。 今回ご紹介していく調味料は、チョコレートにする前の、ローストしたカカオ豆を使った「ふりかけ」や「シーズニング」などを指します。 百聞は一見に如かず、ですので、まずは写真をご覧下さい。このような感じです!!! ラベルも瓶の形も個性豊かで、眺めるのも楽しいですね。これらの調味料はどれも、現在チョコレート専門店で販売されているものです。 ちなみに、今回はカカオ豆を使った調味料にフォーカスしてますが、カカオ豆(=カカオの種)ではなく、カカオの果肉や果汁を使用したビネガー(酢)やシロップも存在します。 カカオはチョコレートになるだけでなく、外皮や果肉も含め、さまざまな利用用途が試行錯誤されているところなのです。

カカオの調味料って、本当に美味しいの?

今回ご紹介する「カカオの調味料」はローストしたカカオ豆がベースなので、感じられる味は主に「苦味」と「旨味」です。 「えっ、苦いの?」とビックリするかもしれません。我々が普段から口にしている醤油や味噌(塩味)、ケチャップ(酸味)やマヨネーズ(旨味)で苦味を感じることはないですよね。 ですが、カカオ豆由来の「苦味」によって味に厚みが増し、コクが生まれます。カレーやミートソースの隠し味にチョコレート、という料理のチョイ技をよく耳にすると思いますが、これらと同じ原理です。 しかも「苦味」はほんの少量でガラリと雰囲気が変わるので、1つ入手して長く使える……つまりコスパも抜群なのです。そのような意味でも新時代の食卓を彩る革新的な調味料とも言えます。 そして、今回是非とも知って頂きたいのは「カカオの魅力はその多彩な香りにある」ということ! なんと焙煎したカカオには「500種類の香りの成分が含まれている」と言われています。 香ばしいナッツの匂いや焙煎香、花やハーブの華やかで爽やかな香り、ラム酒やウイスキーを感じさせる独特なアルコール感、食欲をそそるスパイシーな風味…… カカオの品種によってその特性はさまざまですが、香りがあることで感じる味に広がりが生まれているのです。 なぜ香りがあると味のイメージが広がるのか。 それは人間が舌で感じられる「五味(甘味・酸味・苦味・塩味・旨味)」+「刺激による舌の反応」の6つに加えて、人間の鼻に「香り受容体が約400個あり、一兆種類以上の認知を認知できる」からであると考えられます。 驚くべきはその分別能力だけではありません。嗅覚の凄いところは、感じた香りを統合して組み合わせたり、組み替えたりできること。 香り成分単体を感知するだけではなく、複数の香りがミックスされた料理を思い浮かべ「〇〇のような味がする」と言語化することもできるのです。 例えばショートケーキのような味わい……これは酸味・甘味・旨味に加えて「イチゴ」「クリーム」「スポンジ生地(砂糖・卵・小麦を混ぜて焼成した物質)」の香り成分を同時に感知している、と言えます。 このことからも、嗅覚が味わいに強い影響を与えていることが分かります。 上記を踏まえると、香り成分を多く含有するカカオ豆は、食材単体にかけるだけでも風味豊かになり、幸福感を得やすくなる、と推測できます。 食体験を彩ると同時に、無限の組み合わせを楽しみ、自分の好みを見つけ出す冒険の旅もできる…… そう考えると、カカオの調味料、ちょっと使ってみたいなと思いませんか?

おすすめのカカオ調味料

それでは現在チョコレート専門店で購入できるカカオ調味料について、詳しくご紹介していきます。 使用用途も食感も異なる、ブランドの独自性溢れる5種類です! Conche(コンチェ) ◆CACAO SEASONING For Meat カカオニブとスパイスを合わせた洋風シーズニング。肉用の他に、魚用・野菜用と、用途別に3種類ラインナップがあります。 https://www.conche.net/pages/3988975/seasoning

【原材料】カカオ、ブラックペッパー、ガーリック、オールスパイス、その他香辛料

XOCOL (ショコル) ◆カカオソルト ハチドリ カカオと香辛料と塩を合わせた和風シーズニング。この他5種類ほどのラインナップがあり、気分や料理で使い分けできます。 https://need.xocol.jp/?mode=cate&cbid=2687083&csid=1

【原材料】カカオ豆、カカオマス、塩、胡椒、白ごま、唐辛子、ピンクペパー

nel CRAFT CHOCOLATE TOKYO(ネル クラフト チョコレート トーキョー) ◆caca o caca サクサクとしたフィヤンティーヌ、カリカリとしたニブで食感の楽しい、甘さのあるふりかけです! https://suit-chocolate.com/nel-craft-chocolate-tokyo-caca/

【原材料】チョコレート、粉糖、フィヤンティーヌ、カカオニブ、塩/膨張剤、レシチン

  湯浅醤油&エリタージュ ◆カカオ醤(ペースト/粒) もろみのようなトロリとしたテクスチャの調味料。カカオの風味も醤油の風味も濃厚です。 https://www.yuasasyouyu.co.jp/cacaojang.html

【原材料】カカオ豆、大豆、小麦、食塩、米、大麦、瓜、砂糖、水飴、生姜、なす、しそ/酒精

TIMELESS CHOCOLATE (タイムレス チョコレート) ◆カカオマスタード マスタードとカカオ豆の粒が残っていて食べ応えのある一品、爽やかで食欲をそそる風味です。 https://shop.timelesschocolate.com/items/16302451

【原材料】りんご酢、マスタードシード、水、純黒糖、カカオ豆、塩、もろみ酢

カカオ調味料のシンプルレシピ

いざ、買った!としても、凝った料理は毎日作れない。という方も多いと思います。 ですが、美味しいものは日々食べたいですよね。 ここでは、こんなに簡単にできるよ!この組み合わせもアリ!!!というアイデアをご紹介していきます。 Conche(CACAO SEASONING)×スナック菓子 好みのスナックに、ペッパー感覚でガバッとかけましょう。 コンチェのシーズニングには塩分は含まれていないので、気にせずじゃんじゃんかけられます。 うす塩系は勿論、チーズや燻製、ベーコン系との組み合わせは鉄板の美味しさ!塩気のないさつまいも系ともよく合います。 コツはたくさんかけることです!!!普段のおやつがゴージャスになります。 Conche(CACAO SEASONING)×コンビーフユッケ 肉×香辛料×塩味……控えめに言って最強の組み合わせ。無限に食べ続けられる美味しさ。 卵黄のまろやかさは刺激的なシーズニングともよく合います。 コンチェのシーズニングの強みは、挽きの細さと、多層感のある香り。単純に黒胡椒を掛けただけでは得られない幸せが詰まっています。 写真は映えを考慮してチョロっとしかかけてませんが、この3倍量かけるのがオススメです。 xocol(ハチドリ)×インスタント麺 七味や柚子胡椒の代わりにパラパラ! ショコルのシーズニングは粒が大きいままなので、汁に浸かっても食感がカリカリとしていて食べ応えがあります。 カカオの香ばしさやペッパーの辛味がプラスされ食欲増進! カカオマス(100%の甘味のないチョコ)も入っているので、重厚な味わいに。 xocol(ハチドリ)×板チョコ 八幡屋礒五郎さんのチョコからインスピレーションを得て…… ミルクチョコは塩やニブの苦味でコク深い味わいに!胡麻の香ばしさも合います。 ダークチョコは七味やペッパーが香りの奥行きを広げてより華やかに。 香り食感ともに存在感のあるスパイス達がチョコの旨味と甘味を引き立てます! nel(caca o caca)×アイスクリーム オススメは濃厚なミルク系。キャラメル系やコーヒー系も◎ 言うまでもなく絵面で伝わると思いますが、最高の贅沢です。 苦味と塩味が補完されオトナの味わいに!フィヤンティーヌのサクサクも相性抜群。 nel(caca o caca)×バターパン パンにバターを乗せた時点で既に美味しいのだから、これ以上手間をかけなくても……と思ったそこのアナタ。もっと貪欲に生きましょう。 小麦とバターの旨味を増幅するカカオのアロマ!!ふりかけの甘苦さとカカオかの香りで、より豊かな味わいの、大人向け菓子パンに!! パンをクロワッサンにしたり、バターをマスカルポーネチーズにしたり!組み合わせも自由自在です。 (ふりかけ自体に塩も含まれているので、バターは無塩がオススメ! カカオ醤(ペースト)×おにぎり 乗せるだけ!混ぜるだけ!カカオ調味料は茶色いから仕上がりが地味になっちゃう……と悩んでいる方に。 シンプルな料理でも、丸く小さく作ると可愛らしく食べやすくなります。 かつおぶしとご飯を混ぜ成型した上にチョイ掛け(左)や、カカオ醤油と混ぜたご飯にマヨネーズなど ちょっとした工夫で色合いと風味が変わります。 なお、真ん中のチョコレートは、カカオ研究所さんの海苔チョコです。 カカオ醤(粒)×カナッペ カカオ醤の塩味と香りを活かすために必要なのは、濃いめの旨味+甘味!!そこを抑えておけばあとは問題ありません。 深くは考えずに、カナッペ形式で、とにかく好きなものを乗せて合わせる実験も楽しいですよ。 フレーバーは左上から ●マスカルポーネ+メイプル+ココナッツ ●サーモン+ワサビ ●バナナ+カラメルソース ●ピーナッツバター ●柿バター カカオマスタード×ソーセージ 王道中の王道!お気に入りのウインナーに添えて、ビールを飲むのも楽しい! マスタードもニブもミネラルが豊富で食欲増進、抗酸化作用が期待できます。 シンプルでも栄養バランスが偏らない、肉料理の強力な味方にもなります! 「料理」にしようとしなくとも、使い方と美味しくなるパターンさえ分かれば、簡単に食卓に取り入れられますし、手軽にカカオの香りを楽しめます。 特別な時にだけ使って忘れ去られてしまうのは勿体ない、毎日使って欲しい!!毎日カカオの香りを摂取して幸せになりましょう。

参考書籍 フードペアリング大全  Bernard Lahousse、Peter Coucquyt、Johan Langenbick 広島大学 工学博士 佐藤清隆 講演資料

参考Webサイト 森林総合研究所 季刊 森林総研 No.49 たべるご マスタードの栄養と効能

参考動画 カカオの産地別による香気成分の違いを分析してみた

この記事のライター:
ライター:みな
Bean to bar をひたすら食べ続ける深堀系のチョコレートオタク。 食べ比べが趣味。未知の技術やフレーバーが大好き。 みなのツイッターはこちら
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