カカオはチョコレートやココアの原料で、加工によってさまざまな食品へと変化します。カカオから作られる食品は、カカオニブやカカオティーなど「カカオ」の文字が名前に入ったものが多いです。
本記事では、カカオに関連する様々な言葉をカカオ用語集としてまとめました。
カカオニブとは?
カカオニブとは、カカオ豆から作られるフレーク状の食品です。発酵および焙煎をしたカカオ豆から皮と胚芽を取り除き、胚乳と呼ばれる部分だけを砕いたものをカカオニブと呼びます。ホールタイプのカカオニブは、カカオ豆を砕かずにそのままの形が残っていることが特徴です。
カカオニブにはカカオ豆由来の豊富な栄養成分が含まれているため、スーパーフードとして注目を集めています。カカオニブは、カカオポリフェノールやビタミンD群、食物繊維など、美容と健康に嬉しい成分が摂れる食品です。
砂糖や乳成分を加えて作られるチョコレートと異なり、カカオニブは成分のすべてがカカオ豆そのものでできています。そのため、カカオニブ単体では甘みがまったくない点に注意が必要です。フレーク状のカカオニブは、製菓材料として使ったり、ヨーグルトやスムージーに混ぜたりすると食べやすくなります。
カカオバターとは?
カカオバターはカカオ豆の脂肪分を集めたもので、カカオ豆の成分の内、およそ半分程度がカカオバターと呼ばれる脂肪分です。
カカオバターは食用だけでなく、薬用や化粧品の原料としても使われます。カカオバターはチョコレートを作る際、口当たりや味わいをマイルドにしてくれる原料です。
カカオバターが融ける温度は32度から36度で、室温では固体で保管でき、人の体温によって融ける性質があります。この性質を利用して、軟膏やスキンケア製品に使用されることも多いです。
カカオバターを作る際は、まずカカオ豆を焙煎・発酵したカカオニブを細かくすり潰し、液状のペーストにしたカカオリカーを作ります。カカオリカーを圧縮して脂肪分だけを抽出したものがカカオバターです。
1度圧縮しただけのカカオバターはカカオの色素が残っているため薄い黄色ですが、脱臭処理という作業によって白色で無味無臭の物質になります。
カカオパウダーとは?
カカオパウダーは焙煎しないカカオ豆を粉砕した粉末です。加熱処理をしないため、熱に弱いビタミンなどの成分がそのまま摂れる食材として重宝されます。
カカオパウダーとよく似た名前のものに「ココアパウダー」がありますが、両者は別のものです。カカオパウダーはカカオ豆をそのまま粉末状にしますが、ココアパウダーは焙煎や圧縮などの加工によって作られます。
ココアパウダーは、カカオマスを圧縮して脂肪分を除去したものです。ココアパウダーに砂糖や乳成分を添加したものが飲み物として親しまれているココアと呼ばれます。
カカオパウダーとココアパウダーは名前が似ているため紛らわしく、購入する際には要注意です。市販の粉末がどちらかわからない場合は、加熱処理されているものかどうかを確認してみてください。非加熱のものがカカオパウダー、加熱処理されているものがココアパウダーです。
カカオとココアの違いって?
カカオとココアはどちらもカカオ豆由来の物質を指す言葉で、呼び名が変化した由来には諸説あります。カカオ豆が採れる植物の学名は「テオブロマ・カカオ」のため、植物そのものを指す場合はカカオが正式名称です。
カカオが原産地からヨーロッパへと広がっていく過程で、発音などの都合からカカオ(cacao)とココア(cocoa)という呼び名が出現したと言われています。
なお、日本の通信販売サイトではカカオ豆の原料そのままに近い食材を「カカオ」、加工して脱脂などのプロセスを経た食材を「ココア」と区別している場合が多いです。
カカオ豆とは?
カカオ豆は、コーヒーやチョコレートの原料として使われる植物の種子です。アオイ科の植物であるカカオの花が実をつけると、1つの実の中に数十個のカカオ豆が入っています。
カカオ豆は他の植物と同様、種子を乾燥から守る種皮、成長して植物の本体になる胚芽、発芽のための養分になる胚乳からなる構造です。チョコレートやココアの原料になるカカオマスを作る際には、胚乳の部分だけが使われます。
カカオ豆はコーヒーやチョコレートのような深い茶色で、ほろ苦さや豊かな香りが特徴です。
カカオマスとは?
カカオマスは、カカオ豆の胚乳を加工して作るもので、チョコレートやココアの原料として使われます。カカオマスの「mass(マス)」とは、一定の形のないかたまりを意味する英語です。その名の通り、カカオマスはカカオ豆の胚乳をすり潰して練られたペースト状になっています。
カカオ豆からカカオマスを作るためには、多くの工程が必要です。収穫されたカカオの実は、カカオ豆の周囲にある果肉の部分ごと取り出され、1週間前後かけて発酵されます。
その後、カカオ豆を乾燥させて水分を除去した後、カカオ豆以外の不純物を除去する工程が必要です。選別されたカカオ豆は、焙煎・粉砕を経て、種皮と胚芽が取り除かれます。
胚乳だけの状態になったカカオ豆を細かくすり潰してペースト状にし、冷やして固形化すればカカオマスの完成です。
カカオティーとは?
カカオティーは、カカオ豆から作られるお茶です。カカオティーは焙煎されたカカオ豆の外皮から抽出され、カカオの風味が楽しめます。
カカオ由来のカカオティーは、カカオ豆の成分であるカカオポリフェノールのほか、カテキンなどの栄養が含まれる飲み物です。
カカオパルプとは?
カカオの実から種を除いたところ。白い部分がカカオパルプ
カカオパルプは、カカオの実の中にある果肉の部分を指す言葉です。カカオの実は30センチほどの楕円形をしたもので、硬い外皮に包まれています。外皮を割って出てくる白色で柔らかい部分がカカオパルプで、カボチャのワタの部分をイメージするとよく似ています。
カカオパルプは、カカオ農園で採れた直後など鮮度が高いもののみ、甘みのある果実として食用で出回ることがあります。しかし鮮度管理の都合上、生で食べられるカカオパルプは国際的には流通していません。
カカオリキュールとは?
カカオリキュールとは、カカオ豆を原料として作られるリキュールです。ココアのような甘い香りが特徴のリキュールで、焙煎・粉砕されたカカオ豆をスピリッツに漬けた溶液から作られます。カカオの風味や甘い味わいから、デザートカクテルとして人気です。
まとめ
本記事では、カカオに関連する様々な用語について紹介しました。カカオを使った食品は、チョコレート以外にも様々なものがあります。今回ご紹介したカカオリキュールやカカオティーなど、様々なカカオ食品を楽しんでみてはいかがでしょうか?