
カカオポリフェノールとは?話題の健康効果を解説!
チョコレートの原料として使われるカカオには、「カカオポリフェノール」と呼ばれる成分が含まれています。ポリフェノールは植物の体内で作られる成分で、強い抗酸化作用が特徴です。特に、カカオポリフェノールは肝臓や血圧への効果が報告されています。
以下では、カカオポリフェノールの健康効果を解説しました。チョコレートと健康の関係が気になる方はぜひ参考にしてください。
カカオポリフェノールの肝臓への効果とは?
2013年に発表された研究結果によると、カカオポリフェノールはアルコール性肝障害を抑制する働きが確かめられています。(K.Suzuki et al.(2013) [1])
肝臓には健康維持に欠かせない様々な働きがありますが、その中の1つが体内の有害物質の分解です。特に、お酒を飲んだ時には血中のアルコールが肝臓で分解・吸収されます。アルコールの摂取量が多いと肝臓へのストレスが高まるため注意が必要です。
カカオポリフェノールが持つ「抗酸化作用」という性質は、肝臓へのストレスを軽減してくれます。アルコールによる酸化ストレスをカカオポリフェノールが軽減することで、肝臓への脂肪蓄積の抑制が可能です。
ただし、カカオポリフェノールをたくさん摂取すれば脂肪肝などが完全に防げるということではありません。お酒の飲みすぎなど、肝臓への強いストレスはできるだけ避けましょう。
カカオポリフェノールの血圧への効果とは?
カカオポリフェノールは、高すぎる血圧を下げる効果が確認されています。愛知学院大学と株式会社明治が共同で行った実験[2]によると、カカオポリフェノールを多く含むチョコレートを摂取した前後で血圧の低下がみられました。
チョコレートに含まれるカカオポリフェノールは、血管を広げる働きがあるとされています。その仕組みは、小腸から吸収され、血管の内部に入ったカカオポリフェノールが血管内の炎症を軽減するというものです。血管が広がることで赤血球が通りやすくなると、血圧の低下が起こります。
愛知学院大学と明治の調査では、普段の血圧が高い人ほど大きく血圧が低下する結果が出ました。カカオポリフェノールを摂取することで、血圧を正常な値に近づける効果が確認されています。
血圧は単に低くなるほど良いというものではありませんが、実験で確認されたカカオポリフェノールによる血圧の下がり方は理想的です。
カカオポリフェノールは一日にどのくらい取ればいい?
カカオポリフェノールには様々な健康効果が認められていますが、一日にどれくらい取れば良いかの明確な基準は定められていません。しかし、様々な研究機関や食品メーカーによって、目安となる摂取量が提案されています。
ヨーロッパの機関である欧州食品安全機関(EFSA)では、カカオポリフェノールを1日200mg摂取することで一定の健康効果があると2013年に認めました。[3]
また、愛知県で行われた「チョコレートの摂取による健康効果に関する研究」[4]では、カカオ分72%のチョコレートを1日に25g(5gを5枚分)摂取してもらった結果、4週間で血圧の低下が認められたと報告されています。
カカオポリフェノールの摂取量の目安は、年齢や体重、性別などの違いによって異なる点に注意が必要です。愛知県で行われた研究では、対象者がアジア系の人種の市民347名のため、日本人の摂取量の目安として参考になると考えられます。
カロリーの取りすぎに注意した上で、毎日適量のカカオポリフェノールを取り入れることがおすすめです。
まとめ
カカオポリフェノールの健康効果について、肝臓や血圧への働きや、目安の摂取量について解説しました。カカオポリフェノールは抗酸化作用をはじめ、生活習慣病の改善など様々な健康効果が認められている成分です。
カカオ分の高いダークチョコレートを食べることで、カカオポリフェノールによる健康効果が期待できます。ぜひ、チョコレートを毎日の食生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。
Oxidative stress during development of alcoholic fatty liver: therapeutic potential of cacao polyphenol. (『アルコール性脂肪肝における酸化ストレス:カカオポリフェノールの治療的可能性』) [2]チョコレート摂取による健康効果に関する実証研究 [3] Europian Food Safty Authority (EFSA) Journal 2012, 10(7): 2809
Scientific Opinion on the substantiation of a health claim related to cocoa flavanols and maintenance of normal endothelium-dependent vasodilation pursuant to Article 13(5) of Regulation (EC) No1924/2006 [4]大澤俊彦「高カカオチョコレート摂取による健康効果」

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