love lotus

 

一口かじると、細かな粒子を噛んでいるようなカリカリとした歯ごたえとともに、
ベリーを思わせる酸味と繊細な甘みが舌の上でサーッと広がり、
スモーキーな香りが鼻孔をくすぐります。

そして一番の特徴が後味。「消える」「後味が無い」という表現がしっくりくるほど、
他のチョコレートとは一線を画す味わいです。

「後味が消えるかつてないほどの軽快な味」 を完成させた張本人は、
金沢でチョコレート専門店「love lotus(ラブロータス)」を営む蒲田千佳さん。
もとは「チョコレートの知識ゼロ」の製造未経験者でした。

「(チョコレートを)溶かせば作れるんじゃないの、と軽く考えていましたが、
それは大間違いで。いざ蓋を開けてみたら、とんでもなく大変だったんです。
納得のいく物ができるまで、半年以上もかかってしまいました。」

チョコレートに見向きもしなかった女性が、なぜ手間暇のかかる手作りに挑戦し、
完成させたのか。 そこには彼女の特別な想いがありました。

love lotusができるまで

love lotusができるまで① 子どもを支援する「Lotus Project」の設立

ぬくもりのある『木のおもちゃ』と一緒に。右から、NPO法人Lotusの山口巴理事長、チョコレート製造に協力してくれた、こまつ町家文庫代表の金田奈津代さん、株式会社ロータスコンセプト代表取締役社長 蒲田ちか。

一見無謀にも思えるチャレンジをクリアできた背景には、蒲田さん自身の生い立ちが深く関係しています。
蒲田さんは幼少の頃に虐待を受けています。
虐待による心の傷は大人になってからも消えることはなく、ずっと苦しめられていました。

「虐待を受けた子どもは自己肯定感が低く、心がいつまでも貧しいままなんです。
心が貧しいとどうなるか。夢を見ることもできないんです。
誰でも夢を見られるものだと思っているかもしれませんが、実はすごくパワーがいることなんですよ」。

自分のように虐待を受けた子どもや、貧困、離婚などが原因で児童養護施設にて暮らす子ども達にも、夢を見る力を持ってほしい。
その一心で、子ども達を支援する活動「Lotus Project」を、福島県のNPO法人「ロータス」とともに設立。
「Lotus Project」は、日曜日に普通の家族が遊びにでかけるような場所に自分の意志で遊びに行けない子どもたちのために、
たくさんの木のおもちゃを持って施設を訪ねる、『木育キャラバン』を行っています。

しかし、当然ながら活動を行い続けるためには、資金が必要です。
「自分の手から生み出せるもので、永続的な経済活動を行いながら、長期的に子ども達を支えたい」。蒲田さんはそう考えました。

love lotusができるまで②ベトナムとの縁が「チョコレート嫌い」の人生を変えた

私に何か作れるものはないだろうか――。あれこれと探していた時に、
偶然にも出合ったのが、ベトナムで無農薬栽培を行っているカカオ農園「Stone Hill(ストーンヒル)」でした。

「農園に問い合わせたところ、先方もちょうどカカオ事業を立ち上げたばかりだったようです。
あまりにも絶妙なタイミングだったので、これは神様に導かれているって直感で信じたんですよね」。
ベトナムの輸入雑貨店を営んでいた過去もあり、ベトナムとは縁で繋がっている、と確信。「その瞬間に私、プランナーさんに『よし、Stone Hill農園のカカオでチョコレートを作ろう』って宣言したんです。
チョコレートなんて興味もなければ作ったこともなかったのにね(笑」。

そう、プロジェクトを始めるまでの蒲田さんは「チョコレート嫌い」でした。

love lotusができるまで③:「私にできることはピュアな材料と製造背景で、ピュアな子どもたちと向き合うこと」

「なぜチョコレートが嫌いなのか、つきつめて考えてみたんです。すると乳化剤が原因だと気が付きました」。

乳化剤とは本来分離する水性と油性の素材を混ぜる時に使う添加剤で、
コンビニやスーパーで見かける市販品から海外の高級品に至るまで、あらゆるチョコレートに使われています。

ミルクチョコレートを例に挙げると、ミルクや乳飲料の水性の素材を、
油性が含まれるチョコレートの素・カカオと混ぜる時に加えています。
乳化剤が入っていると、食べた後に喉の奥に何か、ツンとしたものがずっと残るんですよね。それがイヤだったので、自分では絶対に買わなかったですね 」

蒲田さん自身が“チョコレートとはそんなものだ”と思っていたものの、
材料を調べていくうちに、乳化剤だけでなく、チョコレートの中にはいろんなものが入っていることが分かってきました。

やがて蒲田さんの心は「ツンとしない、余計なものを入れないピュアな味も作れるんじゃないか」という可能性に目を向け始めます。

同時に「ピュアな子どもたちに向き合うのだから、原料だけじゃなく製造背景もピュアな商品を完成させたい」という気持ちも強くなっていきました。
発展途上国のカカオ農園で、未だに児童労働による搾取が行われているなか、
Stone Hill農園は児童労働を一切行っていなかった点も、蒲田さんが理想とするチョコレート作りの後押しになりました。

love lotusができるまで④焙煎もコンチングも加熱もしない。未経験だからこそたどり着いたオリジナル製法

口に含んだとたんに鮮烈な印象を残す「love lotus」のチョコレート。
その製法は一般的なチョコレートと全く異なります。

よく知られた製法は、カカオ豆をロースト(焙煎)して皮を取り除き、
すりつぶして甘味付けし、練り上げ(コンチング)て仕上げます。
しかし蒲田さんの場合は、焙煎もコンチングも加熱もしません。
では、どのように作っているのか。その工程は「製造の経験値も知識もゼロ」だからこそ生まれました。

「(チョコレートを)溶かせば作れるんじゃないの、と軽く考えていましたが、それは大間違いで。いざ蓋を開けてみたら、とんでもなく大変なことがわかりました」。
加えて、製造には様々なマシンがいくつも必要なことが分かってきたそう。
「焙煎やコンチングの作業には専用のマシンが必要です。
でもすごく高くて手が出ませんでした。じゃあどうしよう、と」。
困った末に当時のパートナーと見つけたのが“ローチョコレート”でした。

ローチョコレートとは、原料に添加物を一切加えず、
48度以下の状態で作ったチョコレートを指します。
すなわち焙煎機を使うことなくチョコレートが作れます。
カカオ豆本来の持つ優れた栄養素が、加熱で壊されることなく摂取できるうえ、
焙煎につきものの渋味も抑えられ、よりカカオ豆本来の風味を味わえるという嬉しいおまけも発見できました。

チョコレートの製法をさらに調べていくうちに「口溶け」「なめらか」といった言葉が目につくようになった 、と蒲田さんは話します。
「ここ数年は何でも口溶けの良いものがもてはやされていますが、
そのブームに飽き飽きしていて。私自身も滑らかさとか、口溶けの良さには惹かれなかったんですね」。

そこでたどり着いたのが「古代製法」。南米・アステカ族に伝わる古代の製法で、
カカオ豆を弱火で炒り、石器で粗くすりつぶす、ごくシンプルな方法です。

口溶けをよくする乳化剤などを使わず、
チョコレートに艶を出す温度調整(テンパリング)も行いません。
「同じ製法をイタリア・シチリア島のモディカ・チョコレートが採用していました。
食べてみるとジャリジャリとした食感が面白く、好みだったので、私も歯ごたえのあるチョコレートを作ることにしました」。

とは言え、古代製法も熱を加えるため、最終的にはローチョコレートと古代製法の折衷案を目指すことに。
「古代チョコレートにもなりきれなかった古代チョコレートなので。また新しいカテゴリーになるのかもしれないですね」。

指向錯誤を重ねること約半年。支援者の心強いサポートもあり、
オリジナルチョコレートの製造に成功。
2017年9月に商品が完成し、翌10月頃から本格的にネット販売をスタートしました。

love lotus chocolateのチョコレートの特徴

後味が消える!かつてないほど軽快な、オンリーワンのチョコレート

love lotus chocolateのチョコレートは、軽快な後味が特徴です。
そのスッキリさは、「消える」「後味が無い」という表現がしっくりくるほど。
これは、「滑らかさ」や「余韻の長さ」を重視してきた今までのチョコレートとは、違った製法を使い、乳化剤も入れていないから。
チョコレートのねちっとした感じが好みじゃない人には、ぜひ食べていただきたい軽快さです。

シナモン、お茶、塩…飽きの来ない、さまざまなフレーバー

チョコレートのフレーバーは、プレーン味の「pure」を含む7種。
スリランカ産有機シナモンの芳醇な香りがたまらない「シナモン」のほか、
能登の塩を配合した「ソルト&ペッパー」、若い青山椒の清涼感が刺激的な「金澤山椒」、
加賀茶の老舗・長保屋茶舗の茶葉を限界まで配合した「加賀棒茶」など、
蒲田さんの地元の食材を使用した“石川シリーズ”が揃っています。

「一つの農園のカカオ豆しか使っていないので、
収穫する年によって味が少しずつ変化する点もワインのようで面白いですよ。
お客様には、次の年のチョコレートがどんな味になるのか、
楽しみにお待ちいただきたいですね」。

love lotusのおすすめチョコレート

love lotusのおすすめチョコレート①Pure

カカオ豆とお砂糖だけの、まじりっけのないピュアなチョコレート。
苦味や渋みがすくなく、チョコレートの香りの中に苺のような果実感が混じります。

ちなみに、表面のアリのプリントは、『農薬不使用のカカオ豆を使っています』というメッセージ。
害虫を食べるアリの力を使った無農薬栽培で、大人から子供まで安心して食べられる、ピュアなチョコレートです。

love lotusのおすすめチョコレート② 金沢の柚子

金沢産の無農薬で作られた柚子パウダーを練りこんだチョコレート。
「丁寧に作られたせっかくの柚子を、皮だけ捨てたり、実だけ捨てたりするのはもったいない」と、種も皮も丸ごとパウダーにして使っています。
柚子の爽やかさとほろ苦さが、チョコレートの甘さとコクを引き立ててくれる、清々しいのにほっこりする味。

love lotusのその他のチョコレート

love lotusでは、全部で7種類のフレーバーのチョコレートと、
カカオ豆の味をそのまま楽しめるスナック、お茶などをラインナップしています。

love lotusのアクセス・営業時間

love lotusは金沢を拠点に、イベントやネットショップでチョコレートを販売しています。
(2020年1月下旬までは、近江町市場近くに店舗がありました)
公式HPはこちら
イベント情報などはlove lotusのFacebookをご覧ください。

 

 

 

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