nel CRAFT CHOCOLATE TOKYO

ランチ帰りのビジネスマンが、満足した様子で歩く大通り。
街路樹下のベンチでは、老夫婦が水筒のお茶で一服しています。

ここ、『日本橋 浜町』は、日本の中心地、東京駅からわずか3kmの距離。
しかし町並みはオフィス一色ではなく、様々な人と、緑に溢れています。

 

日傘をさした二人の婦人が入っていったのは、あるチョコレートの専門店。
お店の名前は『nel CRAFT CHOCOLATE TOKYO』
日本の手仕事を発信する、若きチョコレート職人のお店です。

「浜町には、衣食住にこだわりがある方が多いです。
そんな方々に喜んでもらえることが、お菓子を作る楽しさですね」

お店のお客様を嬉しそうに見つめているのは、この店のショコラティエ村田さん。
師匠のつてや知人の紹介で、様々なお店で修行を重ねてきた村田さんは『人の縁』をとても大切にしています。

「今までたくさんの人の『縁』に支えられてきました。
この町でお店を構えられたのも何かの『縁』。
この縁に感謝して、町を盛り上げるのが、私の使命だと思います。」

お店に来たお客様にいつも楽しんでもらえるように、新メニューを次々と提案するのが村田シェフの持ち味。
お店では、かき氷の『カカオ金時』など、季節に合わせたメニューがどんどん登場します。

村田さんが美味しいメニューをどんどん考案できるのはなぜでしょうか?
その秘密をご紹介します。

 

nel CRAFT CHOCOLATE TOKYOができるまで

シェフの村田さんの職人歴は、なんと15歳のころから始まります。
定時制の高校に進学した村田さんは、学校に通う傍ら、地元のケーキ屋さんでアルバイトを始めました。

「中学生の時から手に職をつけたい、という気持ちがありました。
それに、お菓子づくりが好きだった。
ということで、目指すはお菓子職人。
趣味を仕事にした形ですね。」

明確な志を持って職人への道を歩み始めた村田さん。
高校を卒業後、働いていたケーキ屋さんにそのまま就職。
創業50年を超える「洋菓子のヒロヤ」で、生菓子、焼き菓子などの様々なお菓子作りの経験を積みます。

さらに、「洋菓子のヒロヤ」は社長が洋菓子協会の会長を務めていたため、数々の有名シェフとご縁ができたそう。
23歳からは福知山の「洋菓子マウンテン」で、ワールドチョコレートマスターズ2007日本代表をつとめた有名シェフ、水野直己シェフの元でチョコレートを基礎から学びます。

海外での修行:素材選びの大切さを学ぶ

その後、新しい世界を見たいという思いで一念発起しフランスへ。
『菓子職人である以上、本場は見るべき』という周りの声を聴き、現地での体験や技術を吸収するため向かいました。
師事していたシェフの知人に、海外での修行の場を紹介してもらえたことが、とても有難かったと言います。

「海外での修行は、かけがえのない経験ができました。
例えば、店で出すショコラショーは、ラボの横の牧場から、搾りたての無殺菌乳を使っていました。
60リットルものショコラショーを一度に仕込むのですが、それが1日でなくなるのだから、本当に驚きました。
他にも旬のフルーツを贅沢に使った素朴なタルトの美味しさも、素材選びの大切さを知るきっかけになりました」

フランス、ルクセンブルグなど、国内外でどんどん修行を積み重ねていく村田さん。
新しいシェフに出会うたびにそれまでとは違った技術を習得し、作れるお菓子のバリエーションが広がっていきます。

nel CRAFT CHOCOLATE TOKYOの立ち上げ

こうして30歳になった村田さん。
次に巡り合ったご縁が、ゼロからブランドを立ち上げる仕事でした。
それが、「職人の手仕事を伝える」というコンセプトを持った、『nel CRAFT CHOCOLATE TOKYO』です。

「東京は時代の最先端をいく、僕の憧れの地でもあります。
こんなご縁が巡ってきたことに、とても感謝しています。
縁は人と人のつながりの中でできるもの。
お客様、社内、お知り合いの方々、皆様との縁を大切にしながら、ブランドを成長させていきたいです。」

人とのつながりを大切にする村田さんらしく、nel CRAFT CHOCOLATE TOKYOの店内にはある工夫が。
店内と厨房の間に大きな窓があり、お客様と店員、お互いの顔がよく見えるのです。

「お客様に、作っている様子を見て楽しんでいただきたいし、安心感を持っていただきたい。
僕たちも、お客様が喜んで買って帰られるのが見られて嬉しい。
お客様と店員の距離を縮めて、深いつながりを作っていきたいです。」

つねにお客様のことを考えている村田さん。
村田さんが作るチョコレートには、お客様に喜んでもらうためのこだわりが詰まっています。

nel CRAFT CHOCOLATE TOKYOのチョコレートの魅力

カカオの風味が主役のボンボンショコラ

nel CRAFT CHOCOLATE TOKYOのチョコレートは、カカオの風味がしっかりと感じられるのが特徴です。
『市販の製菓用チョコレートでは、表現の幅に限界がある』という理由から、カカオ豆からチョコレート作りを手掛けています。
nel CRAFT CHOCOLATE TOKYOのチョコレートは、すべて店内で練り上げられたもの。
そう、お店の名前の『nel』は、チョコレートを『練る』ことを語源にしているのです。

「当店のボンボンショコラは、カカオの風味が主役になっています。
口に入れた時に、まずカカオの味を感じて、後からフレーバーの味が追いかけてくるように設計しています。
具体的には、コーティング用のチョコレートにカカオ分が45%と高いミルクチョコレートを使っています。
こうすることで、口に入れた瞬間にカカオの味がしっかり感じられます。

一方、中のフィリングのチョコレートは、フレーバーがふんわり香り、ミルキーな味わいの39%にしています。
製菓用のチョコレートを使っていては、カカオの産地は選べても焙煎具合までは調整ができませんし、香料が入っている場合もあるのでカカオ本来の風味で勝負できません。
豆から作っているからこそ、自分で配合を決められて、カカオの味がしっかりと活きたチョコレートを作ることができるんです。」

カカオの焙煎は中深煎り。オリジナルブレンドのコーヒーとあわせても美味しい

『街づくり』を大切にしているnel CRAFT CHOCOLATE TOKYO。
チョコレートの味わいは、街の人々に親しみやすさを持ってもらいやすい味にしています。
カカオ豆を浅煎りにして酸味を強くしたチョコレートでは、ふつうのチョコレートと違いがありすぎて、街の人にびっくりされてしまうかもしれません。
ふつうのチョコレートとかけ離れることない美味しさを意識して、カカオ豆は中深煎りにし、コクをしっかりと引き出しました。
イートインでは、チョコレートの焙煎具合に近い、中深煎りのオリジナルブレンドのコーヒーも用意されています。

バリエーション豊富なメニュー

さらに見逃せないもう一つの魅力が、チョコレートのバリエーションの豊富さ。
チョコレート店で定番のボンボンショコラ、タブレットのみならず、プリン、テリーヌ、ブラウニー、アイスクリームなど、多彩なスイーツが並びます。

「『カカオの風味を楽しむ』という根本は変えずに、でも、来店するたびに変化があって、また来たくなるお店を目指しています。
ほとんど毎週、何か新しいメニューが作れないか試作をしていますし、厨房に立っていない時間も新しい素材を探しに行くことが多いです。
イートインでは季節を感じるメニューもどんどん提案していて、『カカオ金時』もそのひとつです。
カカオとあんこの旨味を練乳が優しくマッチさせてくれる自信作です。」

驚くような組み合わせを柔軟に発想し、美味しく作れるのが村田シェフの持ち味。
その背景には、様々なお店での修行で広げてきた、技術の引き出しがあります。

次はどんなスイーツで私たちを楽しませてくれるのか?
何度でも遊びに行きたくなる、目が離せないお店です。

nel CRAFT CHOCOLATE TOKYOのおすすめアイテム

nel CRAFT CHOCOLATE TOKYOのおすすめチョコレート:日本橋HAMACHOCO

日本橋HAMACHOCOは、自家製チョコレートの濃厚さと、鼻から抜けるアプリコットの香りが特徴のトリュフです。

このトリュフは、村田シェフが修行した、『洋菓子マウンテン』の看板商品をオマージュしたもの。
修行時代にたくさん作り、自身も大好きだった村田さんの思い出のチョコレートを、浜町の皆さんにも楽しんでもらいたいとの思いで作りました。

使用しているチョコレートはもちろん自家製。
ガーナ、ベトナム、ハイチの3種類をバランスよくブレンドしています。
そのままでも美味しいガナッシュにアプリコットブランデーを加え、『洋菓子マウンテン』の看板商品のイメージを再現しました。

「高級チョコレートは贈答用、というイメージがありますが、僕は浜町の皆さん自身にもチョコレートを楽しんでいただきたい。
ということで、日本橋HAMACHOCOはお求めやすいお値段にしていますので、ぜひご自身のくつろぎのひと時に楽しんでください。」

詳細はこちら↓

nel CRAFT CHOCOLATE TOKYO / 日本橋HAMACHOCO

2019.06.28

 

nel CRAFT CHOCOLATE TOKYOのおすすめBean to Bar:ブンチャプ ベトナム 75%

 

ベトナムの契約農園『タム カカオ農園』から届くカカオ豆が使われたBean to Barチョコレート。
ほどよい酸味とカカオ感の、爽やかな食べ口のチョコレートです。

タム カカオ農園のタムさん。nel CRAFT CHOCOLATE TOKYOのチョコレートと。

村田シェフ自身が訪問した『タム カカオ農園』は、とても少ない量のカカオ豆をていねいに作っている農家さん。
村田シェフがお菓子作りに情熱を燃やすのと同じように、美味しいカカオ豆を作りにこだわる農家さんです。

「カカオ農家さんの中には、カカオ豆の品質にあまりこだわらない方もいらっしゃいます。
そんな中、『タム カカオ農園』さんは、まるで趣味を楽しむように美味しいカカオ豆づくりにまっすぐな気持ちで取り組まれています。
カカオ愛に満ちた、素敵な生産者の方に出会えて幸いでした。」

しっかりと発酵を行われたカカオ豆は酸味が豊かで、雑味がほとんど感じられません。
優しく爽やかな酸味の美味しさを楽しんでください。

詳細はこちら↓

その他のチョコレート

ほかにもnel CRAFT CHOCOLATE TOKYOでは、板チョコレート、ボンボンショコラの他、プリン、アイスなど多彩なチョコレートがラインナップされています。

nel CRAFT CHOCOLATE TOKYOのアクセス・営業時間

所在地:東京都中央区日本橋浜町3丁目-20-2  HAMACHO HOTEL
都営新宿線 浜町駅より徒歩7分
東京メトロ半蔵門線 水天宮前駅より徒歩7分
営業時間:10:00 – 20:00
定休日:不定休

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